GEHとサザン・ニュークリアが先進原子炉の開発・許認可に協力

【ノースカロライナ州ウィルミントン-2016年10月31日】 -GE日立ニュークリア・エナジー(以下、GEH)とサザン・ニュークリアは、GEHのナトリウム冷却高速炉「PRISM」を含む先進原子炉の開発および許認可の検討を協力して進めることに合意しました。

「サザン・ニュークリアの持つ原子炉の運転経験と技術的な専門知識、また革新的なリーダーシップは、先進原子炉技術の商用化を連携して進めるうえで大きな強みです。使用済み燃料から取り出したエネルギーを使い、発電する先進原子炉技術であるPRISMは、大きな変革をもたらすゲームチェンジャーと言えます。」とGEHの社長兼CEOであるジェイ・ワイルマンは述べました。

GEHとサザン・ニュークリア・オペレーティング・カンパニーの子会社であるサザン・ニュークリア・デベロップメントが締結した覚書では、将来の米国エネルギー省による先進原子炉許認可プロジェクトへの共同参画についても合意がされています。

「GEHとの連携は、次世代にクリーンで安全性や信頼性が高く、手ごろなエネルギーを提供する原子力の重要なポジションを維持するための継続的な取り組みの第一歩です。私たちは業界の発展に全力を尽くし、また目標を一緒に追求することにより、先進原子炉の市場導入に向け、研究および商業運転の分野において両社の総合力を最大限発揮します。」とサザン・ニュークリアの会長兼社長兼CEOであるステファン・クジンスキーは述べました。

PRISMは米国内外で進化発展し、安全が実証済みの成熟技術を使うナトリウム冷却高速中性子炉です。PRISMには、アルゴンヌ国立研究所で開発され、アイダホ州アイダホフォールズで30年以上稼動した統合型高速炉EBR-IIの運転経験が生かされています。

GEHは、米国において、試験、設計また運用の点でPRISM以上の実績を持つ高速スペクトラム原子炉技術は存在しないと考えています。そのためPRISMは、許認可プロセスを継続し、他の先進原子炉技術に対し規制上のクリティカルパスの先例となるに相応しい立場にあると思われます。

GEHの分析結果によると、全世界の使用済み燃料に含まれる核物質の量は17万8千トンと推測されます。商業ベースでPRISM技術を導入すれば、この全ての使用済み燃料を消費でき、同時に一世帯あたりの電力消費量を年間3,400キロワットアワーとすると、約200年に亘り全世界約16億戸の家庭に対して十分なクリーンで無炭素エネルギーの電力をもたらすことができます。

GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)について

米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGEHは、先進の原子炉および原子炉関連のサービスを提供する世界有数の企業です。GEHは、2007年6月にGEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一の戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大していきます。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の性能、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。

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