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GE日立ニュークリア・エナジーのアドバンスト・リサイクリング・センターが使用済み核燃料を利用して発電できる可能性を評価されエコマジネーション製品に認定

【ノースカロライナ州ウィルミントン 2010年10月14日】 GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は本日、同社のアドバンスト・リサイクリング・センター(ARC)の技術がエコマジネーション製品群の一つとして認定されたと発表しました。商用原子炉からの使用済み核燃料がますます蓄積されていますが、GEHはこのような核燃料を適切かつ経済的に妥当な方法で扱うための戦略を立てるという特別な任務を、米国エネルギー省から請け負っています。ARCの技術は、使用済み核燃料を処理するうえで経済的に優れています。

オバマ政権は、将来の国民の健康や、ネバダ州のユッカマウンテン処分場プログラムの廃止に伴う不拡散への懸念、その他の燃料管理プログラムの実施に取り組むためにブルーリボン委員会を設立しました。

GEHは米国政府と米国議会に対して次世代リサイクル(再利用)技術の開発を働きかけており、従来型の再処理方法と比較した場合、環境への影響や経済性が明らかに優位であることを説明しています。

現在は定期点検時に軽水炉で交換される原子力燃料のかなりの部分がまだ使える状態で新しい燃料に交換されています。この使用済み燃料はGEHのプリズム(PRISM)と呼ばれる高速燃焼炉で再利用して、炭素排出の少ない電力を追加で生み出すことができます。

ARCは、PRISMを採用することで、現在の原子力発電所が採用している「ワンススルー(一回きり使用)」の燃料サイクルに比べ、ウランから100倍以上も多くのエネルギーを取り出すことができます。その結果、長期保管が必要な廃棄物の量が大幅に減少し、また、保管が必要な期間が大幅に短縮されます。ARCシステムはまた、既存の再処理法と比べ、核不拡散を推進する上で大きなメリットがあります。純粋なプルトニウムを分離せず、不要となった兵器級プルトニウムを燃料として消費するからです。

1ヵ所のARC施設にはPRISM原子炉が6基設置され、使用済み核燃料を使用して1,800 メガワット超の電力を生み出せるようになります。これは米国の平均的な家庭130万世帯あまりの所要電力に等しい値です。米国の標準的な石炭火力発電所が同じだけの電力を発電するには、600万トン余りの石炭が必要になります。

GEHは、原子力エネルギーの将来を検討するためのブルーリボン委員会ならびに米国議会にARCの採用を働きかけています。米国はこの先数十年の間に新しい商用原子炉を建設する計画を進めています。

米国原子力産業の政策研究機関である原子力エネルギー協会(NEI)のマービン・ファーテル会長は「多くの政策立案者が原子力を極めて重要なクリーン・エネルギー技術だと考えています。それは、原子力が大量の電力を、高い信頼性と低コスト、かつ温室効果ガスを排出することなく発電できるためです。使用済み核燃料の拡散を防止し、廃棄が必要な副産物を減らす効果のあるアドバンスト・リサイクリング技術は、原子力エネルギーの魅力と社会に対する長期的価値を高めるものです」と述べています。

今回新しくARCが加わったGEのエコマジネーションには、これまでに第3世代の改良型沸騰水型原子炉(ABWR)や、次世代の革新型単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)も認定されています。

GEH上級副社長(燃料サイクル・オペレーション担当)兼グローバル・ニュークリア・フューエル・アメリ社長のケビン・ウォルシュは「GEHが提案しているARCは、低炭素の電力を追加で作りだすことができるばかりでなく、業界で懸念事項となっている環境政策問題の解決にも役立つものです。ARCがGEのエコマジネーション製品に認定されたのは、GEHの技術が顧客である電力会社と消費者に費用の削減をもたらすと同時に、発電による環境負荷の軽減に大きく貢献していることの証明です」と述べています。

GEのエコマジネーションは、市場の既存の製品に比べ、エネルギー効率とコスト効率の大幅な向上をめざす新技術を開発する取り組みです。その一環として、GEはすでに自社の温室効果ガス排出量を2004年比22%(絶対値)、水の使用量を2006年比30%削減しました。GEHもこの取り組みに積極的に参加しており、認定技術を所有しているほか、2008年にノースカロライナ州のウィルミントンのGEH構内に最新鋭の水処理施設を設置しています。

今年6月、GEはエコマジネーションに今後5年間に100億ドルを投じる計画を発表しました。エコマジネーションは2005年に始まり、2009年末までに50億ドルが投資されています。

GE日立ニュークリア・エナジーについて

米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は、改良型原子炉や原子力燃料、および原子炉関連のサービスを提供する世界有数のプロバイダーです。GEHは、2007年6月に、GEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。

この件に関するお問い合わせ先

GEエナジー広報部 [担当:新村(シンムラ)]
電話:080-3476-5892
izumi.shimmura@ge.com

以上