GE日立の超音波探傷検査ロボットがテキサスの原子力発電所で埋設配管検査を完了

全長約1.8mの多方向自走式、高層建築物(または、原子力発電所)内を自在に移動可能

【ノースカロライナ州ウィルミントン-2014年12月9日】- GE日立ニュークリア・エナジー(以下、GEH)は、同社の超音波探傷検査ロボットSurveyor™を用いて、サウステキサスプロジェクト原子力発電所(South Texas Project Electric Generating Station)の埋設配管の一部の検査に成功しました。今回の検査は、テキサス州ベイシティ近郊にある、ウェスチングハウス社製の加圧水型軽水炉(Pressurized Water Reactor) 2基があるサイトで実施され、この最新型ロボットを原子力発電所で運用した最初の事例となります。

多関節を持つSurveyor™ロボットは、全長約9mあるアルミニウム青銅合金製の補給水取水配管(直径約15cm)を一か所から検査しました。まず垂直方向に3m調査し、直角に曲がるエルボー部を通過し、6mの水平部分を検査しました。

この内径検査は、配管系統に手を加えることなく8時間以内に完了しました。他の方法を用いて配管を外側から検査する場合は、時間のかかる掘削が必要となり、費用も数千万ドル増加します。外側からの検査では露出した部分の配管のみ調べることができますが、Surveyor™は配管の全長にわたり検査が可能な機能を有しています。

「埋設配管は原子力発電所の重要な装備品の一つですが、それらの検査は困難で、ときには不可能なこともあります。Surveyor™により、埋設配管全長にわたる検査を掘削工事を行わず、かつ安全に実施することができます」と、GEHのアセット管理サービス部門の副社長であるリチャード・ロッシは述べています。

原子力発電所には大量の配管が張り巡らされており、埋設配管の検査は、構造的な問題が生じていないことを確認するために実施されます。米国の原子力発電事業者は、埋設配管の構造を保守し、配管からの漏れを未然に防ぐことを目的に、埋設配管の信頼性を率先して管理する取り組みをしています。配管の脆弱性を検査し、発電所の寿命延長に関連する法規制上の要件を満たすという業界の要望に、GEHの技術は対応しています。

自走式のSurveyor™ロボットは、電源供給およびリアルタイムにデータを制御室へ送信にするためのケーブルを備えています。また、搭載しているツールを使用して、直径約15cmから約122cmの配管を、満水、部分滞留水、および排水後のいずれの状態でも検査することができます。検査データを収集しつつ、暫定的な評価をリアルタイムに行えます。

GEHはSurveyor™をGE インダストリアル システムズ 社(GE Industrial Systems)と共同開発し、石油・ガス産業界においても多数の埋設配管検査の実施に貢献しています。超音波探傷検査ロボットによる検査技術に加え、電磁誘導ロボットテクノロジーも提供しており、コンクリートライニングのような非鉄ライニング管の検査も可能です。

GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)について

米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGEHは、先進の原子炉および原子炉関連のサービスを提供する世界有数の企業です。GEHは、2007年6月にGEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の性能、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。

写真 GEHの技術者が、サウステキサスプロジェクト原子力発電所の埋設配管検査のために、
超音波探傷検査ロボットを準備している様子。

写真 超音波探傷検査ロボットは遠隔操作され、映像および測定データを送信します。

左:GEHの技術者が、サウステキサスプロジェクト原子力発電所の埋設配管検査のために、
  超音波探傷検査ロボットを準備している様子。
右:超音波探傷検査ロボットは遠隔操作され、映像および測定データを送信します。

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