新規制基準審査では、福島第一事故の教訓から電源の多重化、多様性が必要になりました。
当社は、電源強化として、ガスタービン駆動発電設備、直流の第3バッテリー化等を電気事業者の指導のもと実施しました。
直流125V蓄電池
緊急用切替箱接続装置(出典:NRAホームページ)
新規制基準審査では、設計基準審査で「内部溢水対策」の工事が必要になりました。
対策は、「止水措置(電路貫通部、ハッチ、空調ダクト、配管貫通部他)」と「水密扉」の設置等があり、電気事業者の指導のもと、当社は主要な部分の設置を実施しました。
高圧原子炉代替注水系は、RPVが高圧時にRCIC系の代替となるために多重化した、高圧代替原子炉注入系(HPAC)として設置されます。
ポンプの納入は、米国GE Hitachi Nuclear Energy(GEH)が契約して、当社との共同で対策しました。
代替循環冷却系は、格納容器の過圧・過温防止のため、原子炉の循環冷却を多重化する目的で設置されます。
現在では、フィルタベントに対して優先される冷却系になります。
フィルタベント(FV)は、「原子炉格納容器の過圧破損等の防止」、「環境への放射性物質の放出量を低減」、「格納容器内の水素を放出し水素爆発を防止」、「格納容器内の熱を大気に輸送」を目的に設置されます。
フィルタベントは、AREVAと当社の業務分担による共同開発で対応してます。
過酷事故時に中央制御室の操作員の被ばくを低減するために、BOPが開放したときに、作動して、閉止させる目的の扉です。
スライド式BOP閉止装置
コリウムシールドは、過酷事故時に溶融燃料がRPV底部を破損させ、RCCV底部に落下した場合でもドライウェルサンプへの流入を防止して、RCCV底部のコンクリート浸食を抑制するために設置されたものです。
施工前写真
代替循環冷却システムの運用時に、万が一のバックアップ手段として、プレート式熱交換器を利用した運用の冷却が可能です。
プレート式熱交換器は、当社と日阪製作所が共同で開発したコンパクト熱交換器です。
可搬型格納容器除熱系統の系統概要図(出典:東京電力ホールディングス株式会社ホームページ)
コリウムバッファは、炉心損傷時にRPVからのデブリを受け取る役目のバッファ板です。
電気事業者は、新規制基準の自主設備として設置を検討しています。