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原子力事業の競争力強化を目的とした多目的蒸気源試験設備を建設
2009年3月27日
日立GEニュークリア・エナジー
日立GEニュークリア・エナジー株式会社(以下、日立GE)は、このたび、原子力発電所で用いる高性能・高信頼性の危機の開発を効率化する、多目的蒸気源試験設備(HUSTLE:Hitachi Utility Steam Test Leading facility)を建設しました。
HUSTLEは、沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)の実際の運転圧力・温度で、蒸気と熱水を供給できる世界最大級の試験設備です。原子力発電所で用いる炉内機器の開発においては、高性能化とともに、高い信頼性が要求されるため、実機と同じ圧力・温度の条件で、性能と信頼性を確認する必要があります。日立GEは、HUSTLEにおいて、改良型沸騰水型原子炉(ABWR:Advanced Boiling Water Reactor)および次世代原子炉「ESBWR(Economic and Simplified Boiling Water Reactor)」の高性能・高信頼性機器や、既存のBWRの性能を向上する機器を推進し、原子力事業の競争力強化を図ります。
多目的蒸気源試験設備(HUSTLE)の外観
多目的蒸気源試験設備(HUSTLE)の概要
HUSTLEは、炉内機器の開発において必要となる、実際の運転圧力・温度の条件での性能と信頼性の確認を行うことができる試験設備です。蒸気ラインと、循環ポンプを備えた熱水ラインがあり、蒸気と熱水を個別に試験容器に供給することができます。運転圧力、温度は所定の設定値に自動制御でき、低圧・低温の条件からBWRの運転条件(7MPa(メガパスカル)、約290℃)まで、安定して運転することができます。株式会社日立プラントテクノロジーで新たに開発した蒸気圧縮機の採用により、蒸気の循環・再利用で効率よく大流量を確保できる構成としています。高さ15mの架台に固定されている試験容器内に実規模サイズの機器を設置して、蒸気/熱水二相流の流動試験を行うことができます。
多目的蒸気源試験設備(HUSTLE)の系統図
多目的蒸気源試験設備(HUSTLE)の機器配置図
以上
添付資料
原子炉内機器の構成
BWR、ABWR、ESBWRの圧力容器内には、燃料集合体、気水分離器、蒸気乾燥器等の機器があります。インターナルポンプで供給される熱水は燃料集合体(872体)を配置した炉心に供給され、核反応により蒸気/熱水の二相流となり、蒸気/熱水の二相流は、気水分離器、蒸気乾燥器にて熱水が除去されます。熱水は炉心シュラウドとの外周を下方に流れ、インターナルポンプで再び炉心に供給され、一方、蒸気乾燥器を経た蒸気は蒸気タービンに供給されて発電に用いられます。
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