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GE 日立ニュークリア・エナジー、英国の貯蔵プルトニウムの管理問題解決に向け国立原子力研究所と覚書を締結

【英国 ワーキントン 2012年4月4日】GE 日立ニュークリア・エナジー(GEH)は本日、英国の貯蔵プルトニウムの管理問題解決に向け英国国立原子力研究所(National Nuclear Laboratory Ltd. (NNL))との覚書に署名したことを発表しました。NNLの高度な専門技術を組み合わせることにより、GEHが設計する先進的なPRISM原子炉が、英国において活用される可能性が高まると期待されます。PRISM原子炉を導入することにより、英国政府は、プルトニウム管理に関する以前からの懸念を払拭でき、同国のプルトニウム処理を実現するとともに、二酸化炭素排出量を抑制した600MWの発電が可能となります。また、GEHは、PRISM原子炉の活用可能性の拡大に向け、英国の西カンブリア州で、熟練原子力技術者と共同で協議・検討を実施しました。

現在、西カンブリア州セラフィールドにある核燃料再処理施設には、87トンを超えるプルトニウムが貯蔵されており、その量は継続的に増加しています。2011年12月に英国政府は、プルトニウムを再利用する方針を固め、「英国国民により良い価値を提供し得るプルトニウム管理に関する提案を引き続き求めていく」ことを表明しました。さらに英国の原子力廃止措置機関(Nuclear Decommissioning Authority (NDA))は、2012年2月に英国のプルトニウムを管理する代替方法の提案を求めていると発表しています。

「NNLの専門知識を活用できる機会を得られたこと、また英国がプルトニウム再利用のリーダーとしての役割を果たす上で、GEHが協力できることを大変嬉しく思っています。PRISM原子炉は、英国のプルトニウム在庫を効率的に、かつ確実、安全に管理できる最善の手段であると確信しています。同時に、二酸化炭素排出量を抑えた電力を生み出すものです。」とGEHのダニー・ロデリック新規プラント担当上級副社長は述べました。

「GEHが英国へPRISM原子炉を適用していくために、独立性と信頼性を兼ね備えたNNLが、燃料サイクル分野における高度な技術力と豊富な経験を提供できることを光栄に思います。今回、英国でのプルトニウム管理問題を解決するための技術開発に、GEHと協業できることを楽しみにしています」とNNLマネージングディレクターのポール・ホワースは述べています。NNLは、セラフィールドにある中央研究所を含め、英国国内で数多くの研究施設を運営しています。

またGEHは、本日、英国での主要エンジニアリング企業であるコスタイン社(Costain)、アラップ社(Arup)、ならびにペイリー社(Pöyry)など、GEHの「CAP アライアンス(CAP Alliance)」パートナー会社とともに、西カンブリア州ワーキントンのリリーホールにあるエネグス(ENERGUS)センターで、高度な技術と豊富な経験を有する原子力分野のサプライヤーと会合の場を持ちました。GEHは、英国の企業活動および雇用創出に貢献するとともに、GEHの親会社であるゼネラル・エレクトリック社は、現在、英国全土で約1万8,000名の従業員を雇用しています。

今後、PRISM原子炉の建設が承認された場合、約900の正規雇用と数千人規模の関連する雇用が創出されます。さらに、本数十億ポンドの投資により、サプライヤー企業にも幅広い事業機会が創出されるとともに、英国における原子力エネルギー技術基盤が継続的に開発されます。これにより、原子力における「英国の湾岸エネルギー地帯」としてのカンブリア州の優れた地位の確立を実現していくことにつながります。

PRISM原子炉の技術は、NDAが定めた「プルトニウムの価値を最大限に確保した早期処理の実現」を可能にする画期的な解決法であり、環境対応と経済性の両方において大きなメリットを提供するとGEHは確信しています。現在、GEHは、NDAを含む英国政府と密接に協力し、PRISM原子炉の導入が最適な選択肢であることを説明する機会を設けています。

GE日立ニュークリア・エナジーについて

米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は、改良型原子炉および原子炉関連のサービスを提供する世界有数の企業です。GEHは、2007年6月に、GEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。

英国国立原子力研究所(NNL)について

NNLは、英国の原子力業界が将来にわたり安全かつコスト効率がよく機能するよう、専門家や専門技術を提供している機関です。英国政府が所有する企業であり、指定業者(バッテル社(Battelle)、セルコ社(Serco)、マンチェスター大学(University of Manchester)の共同事業体)が運営を管理しています。NNLは営利事業として経営されており、英国政府から直接の資金提供は受けていません。年商およそ8,000万ポンドで、英国国内6か所に約750名の従業員を雇用しています(その多くが、プロの科学者とエンジニア)。NNLの中央研究所には、プルトニウムをはじめとする高放射性物質を処理できる最先端施設があります。これらの施設は、PRISM原子炉や同様のシステムにおける将来の燃料サイクル技術において重要な役割を果たすことができます。

PRISM原子炉について

PRISM原子炉は、30年の正常稼動実績を有する米国のEBR II(Experimental Breeder Reactor)高速炉において立証された技術を基礎としています。GEHは昨年、1981年に開始したPRISM原子炉の実用化を完了しました。試算によれば、PRISM原子炉の技術により、セラフィールドに貯蔵されているプルトニウムを事実上すべて消費できることが示されています。これは、競合している他の技術、例えば混合酸化物燃料への変換などと大きく異なります。MOX燃料とも呼ばれる混合酸化物燃料は、プルトニウムをより複雑で高放射性の形態に変えるだけのものであり、実際にプルトニウムがなくなるわけではありません。一方PRISM原子炉では、プルトニウムのほとんどが実際の燃料として消費されます。

報道機関お問い合わせ先

Michael Tetuan
GE Hitachi Nuclear Energy
+1 910 819 7055
michael.tetuan@ge.com

Adrian Bull
NNL
+44 (0)7894 836553
adrian.j.bull@nnl.co.uk

Chris Rumfitt
Edelman
+44 020 3047 2153
chris.rumfitt@edelman.com

以上