GE日立ニュークリア・エナジーの革新型単純化沸騰水型原子炉が米国NRCから設計認証を取得

世界一安全な原子炉が設計認証を取得し、米国内外での事業展開が前進

2014年9月16日
日立GE ニュークリア・エナジー株式会社

【ノースカロライナ州ウィルミントン2014年9月16日】GE日立ニュークリア・エナジー(以下、GEH)は本日、米国原子力規制委員会(NRC: Nuclear Regulatory Commission)から革新型単純化沸騰水型原子炉(ESBWR: Economic Simplified Boiling Water Reactor)の設計認証を取得したことを発表しました。

GEH 社長兼CEOキャロライン・リーダ氏のコメント:
設計認証の取得により、世界一安全な原子炉であるESBWRを実現できることになりました。設計認証の取得は、米国のお客様にメリットをもたらすだけでなく、ESBWRの世界的な事業展開にとっても重要な一歩となります。

NRCによる今回の決定は、ESBWRの設計が安全要件と規制要件をすべて満たしているというNRCスタッフの判断を認めるものです。NRCが以前に発表したスケジュールによると、ESBWRの最終的な設計承認規定は、9月末までに米国連邦政府の官報で公開される予定です。

ESBWRは完全な受動的安全(パッシブセーフティ)システムを備えており、また自然循環炉を採用した簡潔な設計となっています。この特長により、オンサイトあるいはオフサイトにて交流電源が失われたり、作業員が操作をしなくても、7日間以上の自己冷却が可能です。安全性の指標である炉心損傷頻度に基づくと、ESBWRは世界で最も安全な承認済みの原子炉設計と言えます。

現在、NRCではESBWRの技術に関する2件の認可申請を審査中です。DTEエナジー社は2008年に、建設予定のフェルミ原子力発電所3号機にESBWRを選定しており、2015年にはNRCから認可を得られると見込んでいます。

DTEエナジー社 メジャーエンタープライズプロジェクト担当副社長 ロン・メイ氏のコメント:
GEHがESBWRの設計認証を取得されたことをお祝い申し上げます。ミシガン州のフェルミ原子力発電所に建設予定のESBWR施設についてNRCから建設・運転一体認可を得るという最終段階が近付く中、これはGEHにとってもDTEエナジー社にとっても重要なマイルストーンになります。

ドミニオン・バージニア・パワー社は2013年に、ノースアナ原子力発電所3号機プロジェクトにESBWRを選定しており、2016年にはNRCから認可を得られると見込んでいます。

ドミニオン・ジェネレーション社 CEO デビッド・A・クリスチャン氏のコメント:
GEHがNRCからESBWRの設計認証を取得するというマイルストーンに到達したことを嬉しく思います。これは、ノースアナ原子力発電所3号機の建設・運転一体認可を取得する上で欠かせないステップです。新たな施設の建設はまだ決定されていませんが、お客様への幅広い電力供給を維持しつつ、バージニア州全体の二酸化炭素排出量を削減するという戦略の中で、ノースアナ原子力発電所3号機は重要な役割を果たすと考えています。

補足情報

米国内のプロジェクト以外では、インド原子力発電公社がESBWRを建設するための用地をアンドラプラデシュ州のコバダ地域内に選定しています。設計認証の取得によって、世界の他の地域にもESBWRを建設できる道が開けました。フィンランド、ポーランド、サウジアラビア、スウェーデン、ベトナムなどで原子力発電所の建設が計画されています。

ESBWRの技術は、先進の原子炉を世界各地で55年以上にわたり設計、建設、保守してきた経験の集大成です。ESBWRは、最高クラスの安全性に加えて、建設が容易なモジュール工法や高い燃料効率などの特長を備えているほか、1メガワットアワー当たりの予想運用コスト、保守コスト、人件費は業界で最も低いものとなっています。

GE日立ニュークリア・エナジーについて

米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は、先進の原子炉および原子炉関連のサービスを提供する世界有数の企業です。GEHは、2007年6月にGEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の性能、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。

以上