2018年7月16日 - GE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)が、米国エネルギー省(DOE)より選定を受け、先進的原子力技術開発プロジェクトにおいて業界の専門家チームを主導します。
GEHは、エクセロン・ジェネレーション(以下、エクセロン)、日立GEニュークリア・エナジー(以下、HGNE)、ベクテル及びマサチューセッツ工科大学(以下、MIT)とチームを組み、30万キロワットの小型モジュール炉BWRX-300の開発にあたり、原子炉設計の単純化と発電所建設や運転・保守のコスト低減に取り組みます。
このプロジェクトはDOEが発表した先進的原子力技術開発に対する約2,000万ドルの支援の一部として190万ドルを超える拠出を受ける予定です。
- GEH社 原子力プラントプロジェクト担当取締役副社長 ジョン・ボールのコメント
「根本的な変化をもたらしうる技術のBWRX-300開発に、今後も継続的に協力する発表ができることをとても嬉しく思います。原子力発電所の設計、建設工法、及び運転における強力な専門家チームを編成し、コンバインドサイクルガス発電や再生可能エネルギーに対しコスト競争力のあるクリーンエネルギーの開発を目指します。」
- エクセロン社 原子力技術・戦略副社長 マリリン・クレイのコメント
「エクセロンは、業界のリーディングカンパニーとイノベーションに着目する第一人者からなるこのチームに協力することを嬉しく思います。BWRX-300に代表される効率的で経済的な小型モジュール炉(SMR)を含め、先進的原子力技術開発に明るい展望を持っています。BWRX-300開発プロジェクトへの参加は、クリーンエネルギーに期待をよせるお客様に力強く明るい将来を約束するものです。
米国における最大のゼロエミッション電源として、原子力発電はお客様と地域社会のクリーンエネルギー導入拡大の達成に重要であり、米国のエネルギーミックスに引続き加えられるべきものです。」
- HGNE社 原子力国際技術本部 本部長 吉村真人のコメント
「BWRX-300は、蒸気を直接タービン発電機に送る沸騰水型原子炉が本質的に備えた優位性をそのままに単純化を極める設計です。弊社の持つ高度な製造・建設専門知識、及び日本における原子力発電所プロジェクトを計画通りの納期と予算で完遂した経験、また近年の英国におけるABWRプロジェクトで培ったエンジニアリングの実力を通して、この心躍る開発プロジェクトに貢献していきます。」
- ベクテル社 原子力グループ オペレーションマネージャー マイク・ロビンソンのコメント
「SMRを採用する新たな発電所の効率的な建設工法を研究するこの取り組みへの参加を大変光栄に思います。弊社は、SMRを研究する会社や事業体にとって重要である最適化されたコストとスケジュールを目標とする開発プロジェクトに、イノベーションとモジュール技術をもたらす方法を検討していきます。」
- 東京電力寄附講座教授兼MIT原子力科学工学科・副学科長 ジャコポ・ボンジョルノ博士のコメント
「原子力産業界にとって新規発電所を展開するためにコスト低減は不可欠です。この開発プロジェクトでMITの土木環境工学科のフランツ・ジョセフ ウルム教授と私はGEHと協力して、先進のコンクリート材料と革新的な建設技術を採用する新しい小型モジュール炉の設計をします。この設計はコストと建設期間を劇的に縮減し、コンバインドサイクル天然ガス発電に対するコスト競争力を原子力発電にもたらします。」
BWRX-300は、米国原子力規制委員会(NRC)認証済みのESBWRの設計及びライセンスをベースとし、上述の技術が組み込まれることが期待されています。飛躍的に単純化された設計により、他の軽水冷却SMRや既存の大型炉に比べて、BWRX-300の出力あたりの資本コストは最大60%の低減を見込んでいます。このコスト低減が達成されれば、BWRX-300はコンバインドサイクルガス発電や再生可能エネルギーとコスト競争力を持ちえることになります。