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Hitachi GE

日立GEニュークリア・エナジー株式会社

  • カナダの原子力エネルギーサプライヤー5社との基本合意(MOU)も発表
  • BWRX-300 のベンダー設計審査は追加提出資料により継続

2020年10月6日- GE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)は、GEHのBWRX-300 SMRをはじめカナダ・オンタリオ州における小型モジュール炉(以下、SMR)に関するオプションの推進を目的とし、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(以下、OPG)との提携を本日発表しました。これはカナダのSMRロードマップ現実化への大きな一歩で、 オンタリオ州におけるSMR設置オプションについてOPGに役立つ設計工程、ライセンス供与、スケジューリング、契約などの詳細情報をGEH が提供する予定です。

同プロジェクト支援のためカナダ企業のサプライチェーン開発を考えているGEHは、カナダの5社と基本合意書(以下、MOU)を締結したことも本日発表しました。Aecon Nuclear、BWXT Canada Ltd.、Hatch Ltd.、Black & VeatchおよびOverland Contracting Canada Inc.(Black & Veatch傘下)と今回締結されたMOUは、これからのBWRX-300建設をサポートし、今後サービスや部品を提供するカナダのサプライチェーン構築の基盤となります。 このMOUを通じてGEHは、建設や工学、モジュール化、安全関連部品の製造といった分野での協力を考えています。 5社のいずれも原子力産業で広範な経験を持っています。

GEH 社長兼CEO Jay Wileman のコメント

「当社のデザイン・ツー・コストのアプローチは、BWRX-300 を理想的な位置づけにし、OPGが経済的な価格、またクリーンで信頼性の高いエネルギーのオプションを検討する上で役立つと思います。またBWRX-300の建設・運営という当社のビジョン達成に向けて、OPGおよびカナダのサプライヤー各社と協力できることを楽しみにしています。 この技術は、原子力エネルギーを模索する他の州にも有用で、カナダの脱炭素化目標達成への一助になると信じています。」

GE カナダ 社長兼CEO Heather Chalmers氏 のコメント

「GEは、原子力を強く支持しているカナダ政府と各州による果敢なリーダーシップと深い関与を称賛します。GEはカナダで128年間操業していますが、今回の取り組みへの参加を光栄に思っています。 当社の最先端のイノベーションと世界的な専門技術は、カナダの経済開発への取り組みをサポートするとともに、炭素排出削減にも寄与します。 このコラボレーションは画期的なテクノロジーを成功に導き、他社にも道を切り開くと確信しています。」

OPG社長兼CEO Ken Hartwick氏のコメント

「OPGは50年を超える原子力の経験を駆使して無炭素核技術開発をサポートしており、SMRで世界をリードする独自の地位を築いています。SMRは、オンタリオ州の経済を活性化し、ゼロエミッション電力という気候変動目標の達成を目指す、同州およびカナダをさらにサポートする重要な役割を担うことになります。」

2018年にOPGをはじめとする原子力産業界のメンバーは、行動の呼びかけとしてカナダのSMRロードマップ「A Call to Action: A Canadian Roadmap for Small Modular Reactors」の作成に参加しました。このロードマップには、SMRが他の低コスト型発電との競合が可能であること、またカナダはSMRをエネルギーミックスに加えることに成功できると記載されています。

2020年4月にGEHは、カナダにおけるBWRX-300建設のための物資、機器、サービス提供に関心を持つ同国のサプライヤー各社向けにオンラインセミナーを実施しました。 GEHは今後数か月以内にサプライヤー・フォーラムの開催を計画しており、カナダの各団体およびステークホルダーの協力のもと、現地企業をGEHのサプライチェーン戦略に巻き込む取り組みを進めています。

GEHは、カナダでのBWRX-300技術の発展に向けて著しい進歩を続けています。 先月GEHは、BWRX-300のベンダー設計審査(VDR)に向けた、カナダ原子力安全委員会(CNSC)に追加の提出資料を作成しました。 その資料は、「コアデザイン」「核燃料」「緊急炉心冷却」「決定論的安全分析」「確率論的安全分析」を含む8つの重点分野に関連するものです。 GEHは、今年初めにCNSCに最初のVDR関連の提出資料を作成しており、現在は 19の重点分野のうち16分野に関連する情報を提供しています。

BWRX-300は、米国原子力規制委員会(NRC)の許認可を受けたGEHの革新型単純化沸騰水型原子炉(以下、ESBWR)の設計と許認可の基礎を活用したもので、パッシブセーフティシステムを備えた300MWeの水冷却型自然循環SMRです。 設計の飛躍的な簡易化により、他の水冷却型SMRの設計や既存の大型原子炉の設計と比較した場合、BWRX-300ではMWあたりの資本コストが大幅に削減されると、GEHは推定しています。

既存のESBWR設計認証の有用性を生かし、認可と認証を受けた核燃料設計の活用、認証済み部品とサプライチェーンの利用、ならびに簡素化と創意工夫を行うことにより、コスト面でBWRX-300が他の発電形態と競争可能になるとGEHは考えています。GEの最初の沸騰水型原子炉(BWR)の設計から10度目の進化となるGEHのBWRX-300は、GEが1955年に原子炉の商業化を開始してから最も簡素であり最も革新的なBWR設計となっています。

GE日立・ニュクリアエナジーについて

米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立・ニュクリアエナジー(GEH)は、改良型原子炉および原子炉関連のサービスを提供する世界有数の企業です。GEHは、2007年にGEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。GEHについては、LinkedInTwitter などでフォローしてください。

OPGについて

OPGは気候変動対策のリーダーかつカナダ・オンタリオ州最大のクリーン発電企業であり、オンタリオ州民が毎日使用する電力の半分以上を供給しています。またOPGは、北米で最も多様性のある発電企業の1社で、原子力、水力発電、バイオマス、太陽光、天然ガス分野の専門技術を持っています。

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