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Hitachi GE

日立GEニュークリア・エナジー株式会社

2020年10月29日-GE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)は、Synthos Group S.A.のグループ会社であるSynthos Green Energy (以下、SGE)とポーランドの国家原子力エネルギー庁(Państwowa Agencja Atomistyki 以下、PAA)がBWRX-300小型モジュール炉(以下、SMR)プロジェクトの構想について協議を開始したと本日発表しました。

2000年11月29日制定のポーランドの原子力法に基づき、SGEなどの事業者は、原子力施設の建設許可申請前に、ポーランドにおける施設の建設と運営に適用すべき組織的および技術的ソリューションに関する一般的な見解をPAAに求めることが可能です。SGEは、PAAへ事前提出したBWRX-300の技術的属性を記した文書について一般的な見解を求める意向です。最近SGEとGEHは、BWRX-300の開発と導入に関する戦略的な協力契約に署名しました。GEHに加え、Exelon Generation、Fortum、やCMS Legalは、このプロセスにおいてSGEを支援しています。

■GEH原子力担当取締役副社長Jon Ballのコメント
「SGEとポーランドがクリーンで持続性があり経済的な価格のエネルギー需要に応えるため、当社のBWRX-300は、役に立てる理想的な立場にあると信じています。また、ポーランドがエネルギー需要に応えるとともに脱炭素化の目標達成に向け、この画期的な技術導入の検討においてSGEをサポートすることを楽しみにしています。」

■Synthos GroupオーナーMichał Sołowow氏のコメント
「SGEと戦略的パートナーは、GEHのBWRX-300などSMR技術がポーランドのエネルギー分野と産業界の大規模な脱炭素化計画の一翼を担うことができると固く信じています。」

■SGE取締役社長Rafał Kasprów氏のコメント
「PAAへ見解を求めることにより、当社はBWRX-300技術を用いたプラント建設と運用に生かすべき組織的且つ技術的ソリューションに関する一般的見解の適用範囲を決定できると思います。これは第1段階であり、当社はPAAとともに規制プロセスを前進させる準備が整っています。」

■Fortum新規建設&アップグレードサービス部門長Olli Kymäläinen氏のコメント
「このプロセスに参加し、当社の原子力の知識と経験を活かしサポートできることを非常に嬉しく思います。またポーランドにおいて原子力発電が発展しつつあることに大きな期待を抱いています。」

■Exelon Nuclear Partners社長兼COO Ralph Hunter氏のコメント
「ポーランドにおけるSMRの開発と導入においてPAAの信頼を得ることは極めて重要です。当社は、SMR と大規模原子力発電所の開発、導入によりポーランドの原子力エネルギープログラムが強化されると信じています。クリーンで低コスト且つ信頼性の高い原子力エネルギーの生産は、政府および産業界の気候変動とエネルギー安全保障の目標を達成するために大きな利点をもたらすと思います。」

GEHとSynthos SAは、2019年10月にポーランドにおけるBWRX-300の導入構想に関する提携契約を発表しました。合成ゴムのメーカーであり、ポーランドで最大の化学原料生産の1社であるSynthosは、信頼性の高い専用発電所から経済的な価格でオンデマンドの炭素を排出しない電気の確保に大きな関心を持っています。

BWRX-300は、米国原子力規制委員会(NRC)の許認可を受けたGEHの革新型単純化沸騰水型原子炉(以下、ESBWR)の設計と許認可の基礎的部分を活用したもので、パッシブセーフティシステムを備えた300MWeの水冷却型自然循環SMRです。設計の飛躍的な簡易化により他の水冷却型SMRの設計や既存の大型原子炉の設計と比較した場合、BWRX-300はMWあたりの資本コストが大幅に削減されると、GEHは推定しています。

既存のESBWR設計証明書の有用性を活かし、認可と認証を受けた核燃料設計の活用、認証済み部品とサプライチェーンの利用、ならびに簡素化と創意工夫の取り入れを行うことにより、BWRX-300はコスト面で他の発電形態との競争が可能になるとGEHは考えています。

GEの最初の沸騰水型原子炉(以下、BWR)の設計から10度目の進化となるGEHのBWRX-300は、GEが1955年に原子炉の商業化を開始してから最も簡素でありながら最も革新的なBWR設計となっています。

GE日立・ニュクリアエナジーについて

米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立・ニュクリアエナジー(GEH)は、改良型原子炉および原子炉関連のサービスを提供する世界有数の企業です。GEHは、2007年にGEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的なリーダーシップを提供します。GEHについては、LinkedInTwitter などでフォローしてください。

Synthos Green Energyについて

Synthos Green Energy(SGE)は、ポーランドを代表する個人投資家であり実業家であるMichał Sołowowが所有するSynthos S.A.とBlack Forest Fundのジョイントベンチャーです。SGEは、ポーランド最大の民間企業グループSynthos Group 向けにゼロ・エミッション技術および再生可能エネルギーによる発電の開発と導入を目的に設立されました。現在同社は、海上風力発電と小型モジュール炉を用いた原子力発電の2つの主要プロジェクトに的を絞っています。またSGEは、高温水蒸気による水素発電を実現するソリューションにも取り組んでいます。

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