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Hitachi GE

日立GEニュークリア・エナジー株式会社

ポーランドでのSMRの展開にサプライチェーンが参加することで、カナダに10億ドル以上のGDP効果をもたらし、ポーランド経済の脱炭素化を加速させるとともに競争力が強化されます

2021年12月15日
GE日立・ニュクリアエナジー

GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)、BWXTカナダ社(BWXTカナダ)、シンソス・グリーンエナジー社(SGE)は、本日(12月15日)、ポーランド共和国(ポーランド)における小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」の導入について支援を行う意向を発表しました。

SGEは、パートナー会社とともに、ポーランドにおいて2030年初頭までに少なくとも10基のSMR「BWRX-300」の導入を希望しており、本日、カナダ・オンタリオ州ケンブリッジのBWXTカナダの本社で行われた式典において発表された趣意書を通じて、BWXTカナダは、原子炉圧力容器、炉内構造物、その他の主要部品を含む幅広い機器を製造する可能性を示しました。これらの機器によるBWXTカナダの受注額は、最大で10億カナダドル相当の規模となり、この場合、オンタリオ州に数百人の新規雇用が創出される可能性があります。

またGEHは、オンタリオ・パワー・ジェネレーション社(OPG)のダーリントン新規原子力発電所プロジェクトの技術パートナーに選ばれています。GEHは、OPGと協力して、BWRX-300をダーリントンサイトに設置する予定で、早ければ2028年に完成する予定です。

OPGとSGEは、サプライチェーン構築を含むSMR建設のための相互利益となる計画や準備の最善策について共同で検討していくことに合意しており、協力協定を締結しています。

GEのカナダの原子力産業に対する支援は、1950年代初頭にさかのぼります。カナダ初の原子力発電所である実証炉(NPD)の建設を支援し、これがすべてのCANDU炉の基礎となりました。現在、GEHはカナダの複数の企業と提携し、BWRX-300の導入をサポートするサプライチェーンを構築しています。

BWXTカナダの社長であるジョン・マッコーリーは「BWXTカナダは、GEHとの協力関係を拡大し、同社の革新的なSMRをポーランドに展開できることを喜ばしく思っています。当社のケンブリッジおよびオンタリオ州の他拠点にある独自の施設と熟練労働者は、この先進的な原子炉に対応するさまざまな製品を製造するのに適しています。」と述べています。

SGEのオーナーであるミハエル・ソウォヴォフは「OPGがグリッドスケールSMRの建設を決定したことは、カナダやSGEだけでなく、地球全体にとっても非常に重要なことであり、ポーランドや世界中で同様のプロジェクトの実施を可能にするものです。ポーランドが石炭火力発電所を廃止していく中で、SMRは脱炭素社会の実現と、成長する経済に必要なエネルギーニーズを満たす不可欠な存在となります。ポーランドがSMR技術開発における世界地図の中で特別な位置を占めることを期待しています。」と述べています。

OPG社長兼CEOのケン・ハートウィックは「OPGは、BWXT社を含むオンタリオ州の強力な原子力サプライチェーンの協力を得て、カナダにおける次世代のクリーンな原子力の開発・展開をリードしています。このプロジェクトを進めるにあたり、SMRから供給される安価でゼロ・エミッションの電力を利用して気候変動との戦いに取り組んでいる他の国・地域と協力できることを嬉しく思います。」と述べています。

GEHの社長兼CEOであるジェイ・ワイルマンは「カナダはSMRの普及で世界をリードする準備ができており、BWXTカナダはSMR技術のカナダ及び世界各地での展開をサポートする強力な体制を整えています。BWRX-300に対する世界の関心が急速に高まる中、GEHは、SGEのようなパートナーを通じて今後数十年にわたり、高賃金の雇用の創出によってカナダに大きな価値をもたらし、利益をもたらす態勢を整えています。」と述べています。

オンタリオ州エネルギー省大臣であるトッド・スミスは「GEH、BWXTカナダ、SGEの間のこの画期的な合意は、SMRに関して世界がオンタリオ州を注目していることの証です。私たちの強力な原子力サプライチェーンと有能な労働力は、既に利益を生み出しており、SMRの専門家集団の世界的なハブとしての評価を確固たるものにしております。」と述べています。

SGEは、ポーランドを代表する個人投資家であり実業家であるミハエル・ソウォヴォフ氏がオーナーである中・東欧(CEE)最大の民間企業グループの一角であり、数カ国で事業を展開しています。同社は、2029年にポーランドで最初のBWRX-300を稼働させることを目標としており、それを支えるために、中・東欧(CEE)最大のマルチエネルギー企業であるPKN ORLEN社などとパートナーシップを結んでいます。

BWXTカナダは、商用原子力機器の設計、製造、サービスにおける世界的なリーダーです。今回の提携は、十分かつ長期的な輸出機会を提供することになり、オンタリオ州の原子力サプライチェーンをさらに強化するとともに、ポーランドの脱炭素化目標の達成を支援するものです。

BWRX-300のような先進的な原子力技術は、GEのエネルギー転換におけるリーダーシップの重要な柱となるものです。BWRX-300は、お客様のCO2排出量削減の目標達成を支援するだけでなく、従来の原子力発電技術よりも建設コスト・運転コストを大幅に削減するように設計されています。

GE日立・ニュクリアエナジーについて

GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)は、先進的な原子炉と原子力サービスを提供する世界有数の企業です。2007年に設立されたGEHは、世界の原子力産業に貢献するためGEと日立が創出したグローバルな原子力アライアンスです。この原子力アライアンスは、単一の戦略的ビジョンを実行することで、より幅広いソリューションのポートフォリオを構築し、新しい原子炉やサービスの機会に向けて能力を拡大しています。このアライアンスは、原子炉の性能、出力、安全性を効果的に高めるために必要な技術的リーダーシップを世界中のお客さまに提供します。

シンソス・グリーンエナジー社について

シンソス・グリーンエナジー社(SGE)は、ゼロミッション技術や再生可能資源による電力生産の開発・実施するために設立されました。SGEは信頼できる専用の供給源から、手ごろな価格でオンデマンドのカーボンフリー電力を得ることに関心を持っています。SGEはポーランドを代表する個人投資家で実業家であるミハエル・ソウォウ氏がオーナーであるポーランド最大の民間企業グループの一社です。現在、SGEは洋上風力発電と小型原子炉をベースとした原子力の二つの主要プロジェクトに注力しています。また、SGEは高温の蒸気から水素を製造するソリューションにも取り組んでいます。

BWXTカナダ社について

BWXTカナダ社(BWXTカナダ)は、原子力発電設備の設計、製造、試運転およびサービスにおいて60年以上の専門知識と経験を有しています。これには、蒸気発生器、核燃料、燃料部品、重要なプラント部品、および関連するプラントサービスなどが含まれます。姉妹会社であるBWXTメディカル社は、世界中の患者の命を救う医療行為を行うお客さまに、医療用のアイソトープと放射性医薬品の開発、製造、梱包、配送における数十年の経験の恩恵を提供しています。カナダ・オンタリオ州ケンブリッジに本社を置くBWXTカナダは、オンタリオ州のケンブリッジ、ダンダス、ピーターバラ、トロント、アーンプライアー、ピカリング、ポートエルジン、オーウェンサウンド、カナタ、オークビル、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーに拠点を有し、1500名の従業員を有しています。

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