2023年1月27日 ノースカロライナ州ウィルミントン - GE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)、カナダ・オンタリオ・パワー・ジェネレーション社(以下、OPG)、SNCラバリン社とエーコン(Aecon)社は、OPGのダーリントン新原子力発電所プロジェクト用地に、BWRX-300小型モジュール炉(以下、SMR)を展開する契約を締結しました。これは、北米初となるグリッドスケールのSMR提携契約となります。
GEHはこの複数当事者契約に基づき、原子炉の設計から工学ライセンスの申請サポート、建設、試験、訓練、試運転など一連のプロジェクト活動を受け持つことになります。
■GEH社長兼CEO Jay Wilemanのコメント
「今回の契約は、重要なマイルストーンであり、SMR技術提供企業として弊社のポジションを確立するものです。北米初となるSMR技術の提供を目指すと共に、ゼロエミッションのエネルギー生成、エネルギー安全保障、エネルギーの信頼性などの世界的な実現により、原子力新時代のスタートの先頭を切ることになります。
このプロジェクトは、将来的にはカナダのオンタリオ州そして全世界へ恩恵をもたらすものであり、そのために主導的な役割を果たしていただいたOPGとオンタリオ州に感謝の気持ちで一杯です。」
■GEH先進型原子力部門 取締役副社長 Sean Sexstoneのコメント
「この北米初となるSMR提携契約は、カナダと全世界におけるSMRの展開に関し重要なマイルストーンとなります。プロジェクトを期限内に、また予算を守りつつ安全に届けるためにパートナーと協力して取り組むことは楽しみであり、またチームとオンタリオ州にとって意義ある機会だと思っています。世界中でエネルギーと安全保障の目標を達成するためにSMR技術を取り入れようとしていますが、弊社は胸を躍らせながらも謙虚な気持ちで業界をリードしていく所存です。」
BWRX-300への世界的な関心は高まっています。2022年8月にテネシー川流域開発公社(以下、TVA)は、テネシー州オークリッジ周辺のクリンチリバー施設においてBWRX-300の展開を見据えた計画策定と建設許可申請の準備を開始し、SMR技術を進める取り組みを調整するためにOPGと協業関係を結びました。また米国原子力規制委員会 (NRC) とカナダ原子力安全委員会(CNSC)は、2件のプロジェクトの許認可で協力をしています。
2022年6月にはサスクパワー社(SaskPower)が、2030年代半ばにサスカチュワン州においてBWRX-300を展開する可能性について発表しました。ポーランドでは、ORLEN Synthos Green Energy社(以下、OSGE)とそのパートナー企業がBWRX-300の審査を受けるための申請を同国の国家原子力エネルギー機関に提出し、事前審査プロセスを開始しています。OSGEは、複数のBWRX-300の導入を計画しており、その初号機は2020年代末までに建設される可能性があります。GEHは、BWRX-300の世界的な展開をサポートするためカナダ、ポーランド、英国、米国、スウェーデン等の企業と覚書やその他の契約を締結しており、英国においてもBWRX-300の許可申請手続きを始めています。
BWRX-300などの高度な原子力技術は、エネルギー移行を主導するGEHの重要な柱の1つです。BWRX-300は、お客さまの脱炭素化の目標達成に貢献するだけではなく、建設と運転のコストが他の原子力発電技術よりも抑えられるように設計されています。特にBWRX-300は、現在稼動中の原子炉に使用されている既存の燃料(濃縮度5%を超えるウラン燃料HALEU:High-Assay Low-Enriched Uraniumは不要)、プラントの簡素化、実証済みの構成部品、そして既にライセンスされている原子炉技術に基づく設計という、他に例を見ない組み合わせを活かしています。
GE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)は、改良型原子炉と原子炉関連のサービスで世界をリードするプロバイダーです。2007年創立のGEHは、世界の原子力産業に資する目的でゼネラル・エレクトリック (GE)と日立が創設したグローバルなニュクリアアライアンスです。このアライアンスは、幅広いソリューション・ポートフォリオを生み出す統一された戦略的なビジョンを掲げ、新たな原子炉の可能性やサービスの機会を拡大し、原子炉の稼働率、出力や安全性の向上に必要となる技術的なリーダーシップを世界中のお客さまに提供します。LinkedInとツイッターでGEHをフォローしてください。