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Hitachi GE

日立GEニュークリア・エナジー株式会社

2023年3月23日 ワシントンD.C. - GE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)、テネシー川流域開発公社(以下、TVA)、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(以下、OPG)とSynthos Green Energy(以下、SGE)は、GEH のBWRX-300小型モジュール炉(以下、SMR)の世界展開を進めるために提携します。

本日ワシントンD.C.で発表された技術協力協定により、TVA、OPGとSGEは、BWRX-300の標準設計、および原子炉圧力容器や炉内構造物を含む主要コンポーネントの詳細設計の開発に投資することになりました。 GEHは標準設計開発に取り組んでおり、開発に伴う総投資額を約4億ドルと見込んでいます。各投資者は、GEHの総コストの一部資金提供に同意しており、今後共同で設計センター作業グループを設置し、標準設計を複数の地域で確実に進展させることを目指します。長期的な目標は、BWRX-300の設計が認可され、カナダ、米国、ポーランドなどへ展開を広げることです。

■GEH社長兼CEO Jay Wilemanのコメント
「BWRX-300の共通設計を進めるべく、OPG、TVA、SGEが協力し示してくださったリーダーシップに感謝します。3カ国にわたるこの前例のないコラボレーションは、今後チームメンバーそれぞれに利益をもたらすでしょう。また、これは各国の脱炭素化とエネルギー安全保障の目標達成において、弊社のSMR技術が果たす役割への信頼を表しています。弊社のデザイン・ツー・コストアプローチを基礎としたこの協業は、BWRX-300のコスト競争力をさらに強化するでしょう。」

■TVA社長兼CEO Jeff Lyash氏のコメント
「私たちは協力して、米国および世界中で計画的に新しい原子力の推進をしています。TVAは国を先導して、GEH BWRX-300の標準設計形成への投資と支援を行っています。これにより、より信頼性が高く、レジリエントでクリーンな電源が、手頃な価格で得られます。弊社は、原子力施設の建設や運転に関する豊富な経験と専門技術があり、今後この取り組みをリードするというユニークな立場にあります。国家のエネルギー安全保障を支える革新的で費用対効果の高い技術開発において、更に先へ、より速く進むために協力してくださる連邦と州当局のサポートに感謝しています。」

■OPG社長兼CEO Ken Hartwick氏のコメント
「原子力は、オンタリオ州内外で高まるクリーンな電力のニーズに対応する上で重要な役割を果たすでしょう。それゆえ、OPGはダーリントン新原子力発電所に北米初となるグリッドスケールのSMRを建設します。本日発表された協力協定は、この次世代原子力の効率的な開発に必要な作業を進めるためのもので、弊社全ての電力使用者に利益をもたらします。」

■Synthos Green Energy CEO Rafał Kasprów氏のコメント
「ポーランドの民間企業が原子力発電所の設計に投資するのは史上初です。これはひとえに、GEHによる最先端のモジュール技術が、ポーランドのエネルギー生産と熱供給の脱炭素化、さらには弊社が英国や中欧で展開する他のゼロエミッションプロジェクトに最適だからです。」

現在、オンタリオ州クラリントンにあるOPGのダーリントン新原子力発電所でBWRX-300の建設準備が進められており、2028年末の完工を予定しています。 これは、北米初のグリッドスケールのSMRとなります。TVAは、テネシー州オークリッジ近郊のクリンチリバー施設におけるBWRX-300の建設許可申請を準備しており、またTVAのサービスエリア内でSMR展開の可能性がある追加のサイトを検討しています。 SGEとPKN Orlenの合弁会社であるORLEN Synthos Green Energy(以下、OSGE)とそのパートナー企業は、BWRX-300の審査申請をポーランドの国家原子力エネルギー機関に提出し、同国における事前審査プロセスを開始しました。OSGEは、提案された最初のBWRX-300のサイト選定プロセスを開始しており、2020年代末までにこの初号機の導入を目指し、将来的にはBWRX-300の複数展開も視野に入れています。

BWRX-300は、他の原子力発電技術よりも建設と運転コストが抑えられるように設計されています。 特にBWRX-300は、既存の燃料、プラントの簡素化、証明済みの構成部品、そして許認可済みの原子炉に基づく設計という、他に例を見ない組み合わせを活かして開発が進められています。

GE日立・ニュクリアエナジーについて

GE日立・ニュクリアエナジー(GEH)は、改良型原子炉と原子炉関連のサービスで世界をリードするプロバイダーです。2007年創立のGEHは、世界の原子力産業に資する目的でゼネラル・エレクトリック(GE)と日立が創設したグローバルなニュクリアアライアンスです。 このアライアンスは、幅広いソリューション・ポートフォリオを生み出す統一された戦略的なビジョンを掲げ新たな原子炉の可能性やサービスの機会を拡大し、原子炉の稼働率、出力や安全性の向上に必要となる技術的なリーダーシップを世界中のお客さまに提供します。LinkedInツイッターでGEHをフォローしてください。

OPGについて

北米最大級の多様な発電事業者であるOPGは、地域経済への投資を行い、オンタリオ州と米国で数千人を雇用しています。OPGとその系列会社は、新しいクリーン技術の開発、既存のアセットの改修、電化の取り組みを主導し、今後数十年にわたるクリーン経済の需要増を後押しします。OPGが、こうした取り組みに人、パートナーシップ、強力なコミュニティを優先し進めている詳細については、OPGのClimate Change Plan(気候変動計画)、Reconciliation Action Plan(和解行動計画)、Equity, Diversity, and Inclusion (ED&I) strategy(公平性・多様性・包括性(ED&I)戦略)をご覧ください。

TVAについて

テネシー川流域開発公社(TVA)は、南東部の7つの州において1,000万人にエネルギーを供給する全米最大の公営電力会社です。
TVAは90年前に設立され、革新的な解決策により複雑な課題に取り組み、地域と国に貢献してきました。 TVA独自の企業理念は、エネルギー、環境保全管理、および経済発展に焦点をおいています。 原子力、水力、太陽光、ガス、また先端技術など、最大かつ多様でクリーンなエネルギーシステムを持つTVAは、クリーンエネルギーの未来に向けた米国における取り組みのリーダーとなっています。
TVAは米国政府の機関であり民間からの資金提供は受けておらず、収益のほぼすべてを電力販売から得ています。電力システムの運営とその収益への投資に加え、テネシー川水系の洪水制御、航行管理、土地管理を行い、地元の電力会社や州、地方政府の経済発展と雇用創出を支援しています。 詳しくは、 Energy System of the Future(将来のエネルギーシステム)をご覧下さい。

Synthos Green Energyについて

Synthos Green Energy(以下、SGE)は、ゼロ・エミッション技術と再生可能資源による発電の開発と導入を目的として設立され、信頼性が高く専用の供給源から、手頃な価格でオンデマンドのカーボンフリー電力を取得したいと考えています。 同社が一角をなすポーランド最大の民間企業グループは8カ国で事業を展開しており、個人起業家であり実業家のMichal Solowowが所有しています。 またSGEは、中欧最大のエネルギー会社のPKN Orlenと提携し、ポーランドにおけるGEH のBWRX-300の複数展開に特化したOrlen Synthos Green Energy(OSGE)を設立しています。

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