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Hitachi GE

日立GEニュークリア・エナジー株式会社

2024年1月25日 ノースカロライナ州ウィルミントン - GEベルノバの原子力事業会社であるGE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)は、英国エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)による3360万ポンドの未来原子力実現基金(以下、FNEF)の補助金授与を大変喜ばしく思います。英国政府は、英国エネルギー安全保障の確保とネットゼロの目標に向けて、2050年までに原子力発電を24GW拡大するという野心があります。

■英国原子力担当大臣 Andrew Bowie氏のコメント
「英国では、70年間で最大となる原子力発電の拡大が進行しています。小型モジュール炉(以下、SMR)は、この急速な復活の最前線にあると同時に、中心にあります。今回、GEHに3360万ポンドの資金を提供し、その開発を支援することで、私たちはこのゲームチェンジャーとなる技術を最初に導入する1か国として優位な立場に立つことが出来ます。そして、これは家庭と業務の両方において、安価でクリーン、また確実なエネルギーの提供を可能にします。」

■GEH 社長兼CEO Jay Wilemanのコメント
「私たちは、BWRX-300が英国の脱炭素化とエネルギー安全保障の目標達成に理想的なソリューションであると信じており、それを証明できる機会として今回のFNEF補助金の授与に関し英国政府に感謝します。私たちは、英国でBWRX-300を導入するために優秀なチームを編成しています。英国における強固なサプライチェーンの構築を継続的に進めている状況下、このFNEF補助金は、規制当局の受け入れと導入準備を加速させることになると思います。BWRX-300の開発が、英国におけるGEの誇るべき130年に亘る歴史の次章となることを願います。」

GEHは、Jacobs、Laing O'Rourke、およびCavendish Nuclearを含めた経験豊富な英国チームに加え、ポーランドの投資家でありディベロッパーでもあるSynthos Green Energy(以下、SGE)と協力して、FNEFの申請書を提出しました。GEHは、英国のサプライチェーンを構築中であり、それにはBWRX-300の導入支援に向けた英国製鍛鋼品の供給契約に関するSheffield Forgemastersとの覚書が含まれています。

GEHは、FNEF補助金の授与と併せて、BWRX-300に関する包括的設計審査(以下、GDA)のプロセスに入ります。GDAでは、英国の規制当局が新規原子炉の設計に関わる安全性、セキュリティ、環境保護の基準に対する評価が可能となります。このGDAについてGEHは、2007年より英国における新規原子力発電所プロジェクトの申請を支援してきたJacobsのサポートを受ける予定です。GEHは、10月に大英原子力推進機関(GBN)のSMRコンペティションの次の段階の到達を発表しました。またGEHの英国拠点チームは、SGEの支援を受けています。

■SGE CEO Rafał Kasprów氏のコメント
「SGEは、FNEFにおいてGEHの最先端技術であるBWRX-300が選定されたことを光栄に思います。弊社は、SMRの投資家、またディベロッパーとして英国へ投資し、複数のBWRX-300プロジェクトで先導的な役割を果たしたいと強く願っています。私たちは英国企業が、国内だけではなくポーランドや中央ヨーロッパにおいても、BWRX-300導入のサプライチェーンの中心的な存在になると信じており、今回、FNEFにより機会が与えられたことで、英国におけるBWRX-300の導入を重視する弊社の投資戦略は加速化していきます。」

■GEH 先進型原子力部門取締役副社長 Sean Sextoneのコメント
「今回の英国政府よる補助金の授与を嬉しく思います。私たちは計画に自信をもっており、準備も整っています。BWRX-300は実現可能な設計であるため、カナダ、ポーランド、および米国を含む世界中でSMRのプログラムに選ばれていると認識しています。今後も原子炉の導入に向けて、引き続き英国政府と密接に協力し、原子力発電を2050年までに最大24GWへ拡大するという英国政府の目標達成に貢献できると信じています。」

GEは、英国において130年間にわたる長く深い歴史がありをます。GEのエネルギー事業は、英国国内の11カ所で 2,500人以上を雇用し、英国のエネルギー安全保障と脱炭素化の野心を実現する中軸となっています。また現在、英国における発電の35%は、GEの技術により供給されています。このような状況下、10月に英国を代表するエネルギープロジェクトの1つであるドッガーバンク洋上風力発電施設の一環として、GE Haliade-Xタービンの第1号機が稼働を開始し、その後12月にはGEベルノバのグリッド・ソリューション事業とMYTILINEOSのコンソーシアムが、英国初の大容量東海岸海底リンクについてNational Grid Electricity TransmissionおよびSP Energy Networksの一部であるSP Transmissionと10億ポンドの契約の締結を発表しています。

BWRX-300等の高度な原子力技術は、エネルギー移行を主導するGEベルノバの重要な柱の1つです。BWRX-300は、お客さまの脱炭素化の目標達成に貢献するだけではなく、建設と運転コストを抑えられるように設計されています。特にBWRX-300は、既存の燃料、プラントの簡素化、証明済みの構成部品、そして米国原子力規制委員会(NRC)認定の原子炉設計に基づく設計という他に例を見ない組み合わせを生かしています。

BWRX-300への世界的な関心は高まっています。7月にカナダのオンタリオ州は、ダーリントン新原子力発電所プロジェクト用地にBWRX-300を追加で3基設置する計画とその許可に着手するため(この用地におけるSMRの設置台数は計4基)、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(以下、OPG)との協力を発表しました。これは、2023年1月に発表されたダーリントン用地における最初のBWRX-300の建設契約に続くものです。そして3月に、GEH、テネシー川流域開発公社(以下、TVA)、OPG、およびSGEが、BWRX-300の標準設計と主要構成部品の開発と詳細設計への投資に向けて提携することを発表しました。2月にはFermi Energiaが、エストニアにおける展開の可能性に向けてBWRX-300の選定を発表しています。英国は、この新しいBWRX-300の恩恵を享受し、さらに輸出を通して大規模な世界展開を可能にする立場にあります。

GEベルノバについて

GEベルノバは、発電、風力、および電化事業を含む、計画的な目的に基づくグローバル・エネルギー企業であり、高度研究、コンサルティングサービス、金融サービス等のアクセラレータービジネスの支援を受けています。GEベルノバは、130年間にわたり世界の課題に取り組んできた経験を基に、引き続き世界の電化を推進すると同時に脱炭素化への取り組みにより、エネルギー移行を先導する立場にあります。そしてお客さまの経済を活性化させ、健康、安全、保障、また生活の質(QoL)の向上に不可欠な電力を供給しています。米国マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置き、世界100カ国以上で80,000人を超える従業員を雇用しています。GEベルノバの原子力事業は、日立との世界における提携を通して核燃料バンドル、サービス、および最先端の原子炉設計を提供する世界トップレベルの企業です。弊社の技術には、最も簡素且つ革新的な沸騰水型原子炉設計であるBWRX-300などの沸騰水型原子炉、およびSMRが含まれています。

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